山本恵由美

広島ではちょうど10年前、2002年2月9日~11日に「第7回森林と市民を結ぶ全国の集い」を開催し、広島県東広島市とその周辺を舞台に約2,300人の方に参加いただきました。

その運営の経験をしておりますので、島根の実行委員会のみなさんのご苦労は想像できます。今回も日ごろからのネットワークの力で実現をされたと思いますが、広島でも実行委員会を速やかに立ち上げ受け入れが円滑にできたのは、すでに県内のネットワークが1999年に発足していたからなんです。

広島の主だった5団体が発起団体となって立ち上げた「緑インフォメーションセンター」通称GIC 現在27団体がエントリーしています。第7回では6月には祝日が無いため、第一日曜日を「山の日」にしようと提案され、その日は山に関わろうという画期的なメッセージを発信しました。

そのほか年に一度は参加団体の交流を兼ねて、一緒に作業をするなど活動をしてきました。しかし、このネットワーク組織も時間がたつと形骸化して、もう一つ力を出し切れていない気がしていますが、そもそもネットワークとはなにか?どうあることが理想か?何のための必要か?ということを考えさせられているのも事実です。この件に関しては後ほどパネルディスカッションにてお話しします。

ではまず、パワーポイントで私どもの団体の活動紹介をさせて頂きます。1997年に広島市が主催する「森林ボランティアリーダ―養成講座」で ノウハウを学んだ第一期修了生が中心になり設立しました。団体を立ち上げるのには行政がらみや、企業の声掛けなどいろいろな経緯がありますが、私たちは任意ではじめたので、ネットワークはゼロから始まりました。山に入ろうにも場所がないため事業の主催者である行政にお願いし、作業ができる森林を紹介してもらって始めることができました。

現在は約160名の会員がいます。発足当初の活動は月に一度の定例会だけでしたが、会員からのニーズに応えて今や「出前間伐」「里山」「クラフト」「環境教育研究」の4つの部会を立ち上げ、各々のフィールドで活発に活動をしています。そこから森づくりの可能性が広がってきており、何かを起こそうとすれば必ずそこには違う主体と関係性を結ぶことになるので、おのずと繋がっていく。繋がっていけば思ってもいない活動を展開できる。

例えば森づくりには生物多様性の観点が重要で、樹木の整備活動に加え、昆虫や動物を守りたいと活動している人や団体への協力として絶滅危惧種のヒョウモンモドキやオオムラサキ、ギフチョウの保護などにも関わっています。また地域や小学校、企業のほか県外へも応援に出かけ、そして森づくりを通じて「川」「海」で活動する団体とも繋がりができ、多くのネットワークが生まれています。今後もそのネットワークを生かし、可能性を追求して活動を展開していきたいと思っています。ご静聴有難うございました。