地球温暖化は、大気中に存在する二酸化炭素などの温室効果ガスの濃度が上昇することが原因だと考えられています。

地球温暖化を防ぐためには、まず、二酸化炭素を大気中に放出しない、そして、大気中から二酸化炭素を取り除くことに取り組む必要があります。

植物には、半永久的に利用可能な太陽からの光エネルギーを利用して、大気中の二酸化炭素を有機物として固定するという重要な働きがあり、特に樹木は木材という形で大量の炭素を蓄えています。

また、木材は鉄やアルミニウム、コンクリートなどと比較すると製造するために消費するエネルギーが少ないといった特長がありますので、木材をさまざまな資材として利用することによってエネルギーを節約し、二酸化炭素の排出を少なくすることができます。

まず、ここでは、森林と地球温暖化対策との関わりについてご紹介いたします。

地球温暖化はどのようにして起きているのか?

地球は太陽からのエネルギーで暖められます。
暖められた地球からも熱が放出されていますが、二酸化炭素などの温室効果ガスがこの熱を吸収し、再び地表に戻しています。

地球上では、このような熱の収支バランスによって人類が生きるのに適した環境が保たれています。
しかし、近年、人類の産業活動が活発になるにつれ、温室効果ガス、特に二酸化炭素の排出量が急増したため、大気中の二酸化炭素濃度は増え続けています。

森林は二酸化炭素を吸収しています。

地球温暖化の防止には、温室効果ガス、中でも温暖化への影響が最も大きいとされる二酸化炭素の濃度を増加させないことが重要です。森林は、地球上の炭素循環の中で大きな位置づけを占めています。

※1 t/年で示す吸収量及び排出量は、人間の活動に伴うものである。
※2 森林や農地といった土地の利用管理による吸収量が含まれる。
※3 主に熱帯地域における森林減少によるものである。

森林を構成している一本一本の樹木は、大気中の二酸化炭素を吸収して光合成を行い、炭素を有機物として幹や枝などに蓄え成長します。

樹木が吸収し蓄積する二酸化炭素量は一本一本みんな違っていますが、例えば、適切に手入れされている80年生の スギ人工林は1ha当たり約170t(1年間当たり平均で約2.1t)、同じく80年生のブナを主体とする天然林は1ha当たり約100t(1年間当たり平均で約1.3t)程度の炭素を蓄えていると推定されます。(二酸化炭素に換算すると、それぞれ約620t、約370t、1年間当たりそれぞれ約7.8t、約4.6t)

スギの吸収量と身近な二酸化炭素排出量とを比較してみましょう。

例えば、自家用乗用車1台から1年間に排出される二酸化炭素の量は、80年生のスギ人工林約0.3ha(スギ約160本)の年間吸収量と同じくらいです。

また、1世帯から1年間に排出される二酸化炭素の量は、80年生のスギ人工林約0.8ha(スギ約460本)の年間吸収量と同じくらいです。

○身近な二酸化炭素排出量と森林(スギ人工林)の二酸化炭素吸収量

我が国の森林が1年間に蓄える二酸化炭素の量は約8,300万トン(平成18年度)程度と考えられます。

※ このページの掲載内容は林野庁のホームページより転載しております。

関連情報 独立行政法人 森林総合研究所 温暖化対応推進拠点
http://ss.ffpri.affrc.go.jp/research/ryoiki/new/22climate/new22.html

林野庁/地球温暖化防止に向けて
http://www.rinya.maff.go.jp/j/kenho/ondanka/index.html